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巻頭言
グリージンガー雑考
著者: 黒川正則1
所属機関: 1東京都精神医学総合研究所
ページ範囲:P.450 - P.451
文献購入ページに移動 「精神病は脳病である」という命題は,グリージンガーの名とともに現代に伝えられてきた。しかし数年まえの本欄で諏訪 望氏が指摘されたように,グリージンガー自身の文章はそれほど直線的ではなく,またヤンツァリク氏もこの一文は後世による「疑わしい還元」であると述べている。
1845年,28歳を迎えたばかりのグリージンガーは「精神疾患の病理と治療」を著わし,その第一章で「生理学的,病理学的な観察事実は,脳のみが正常ならびに病的な精神活動の場でありうることを示している」と述べた。そのような記述が「精神病は脳病」の原型であったと思われる。
1845年,28歳を迎えたばかりのグリージンガーは「精神疾患の病理と治療」を著わし,その第一章で「生理学的,病理学的な観察事実は,脳のみが正常ならびに病的な精神活動の場でありうることを示している」と述べた。そのような記述が「精神病は脳病」の原型であったと思われる。
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