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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻5号

1994年05月発行

文献概要

特集 精神疾患の新しい診断分類

[特別講演]ICD-10 歴史,特徴とその応用をめぐって

著者: 大久保善朗3

所属機関: 1世界保健機関(WHO)精神保健部 2現・ジュネーブ大学 3東京医科歯科大学神経精神医学教室

ページ範囲:P.452 - P.457

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■作成までの経過
 ICD-10作成までの経過を表1にまとめた。ICD-10の作成は,さかのぼると1964年に始まっている。1965年からの10年の間は,毎年1回会議が開かれ,分類に伴う様々な問題についての討議が行われた。1971年には人格障害に伴う分類の問題について東京で会議が開催された。当時の東京の会議では神経質概念が問題になった。
 その後,我々の活動は少し停滞し,1970年代の後半から1980年代の初めの間は,米国精神医学会(American Psychiatric Association;APA)に一歩遅れをとった。周知のようDSM-Ⅲは画期的な分類の手法であり,それが刺激となって1980年代に入り,我々は活動を再開した。まず40回ほど会議を開き,世界のこの問題に関する文献をすべて調べた。1981年には,その後極めて重要な意味を持つことになったコペンハーゲンでの会議が開かれた。この会議の結果を踏まえて,ICD-10の草案が固まり,その草案が世界中に配布された。そして,前最終段階の草案が作成され,臨床実地試験を行い1992年には臨床ガイドラインが出版された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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