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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻5号

1994年05月発行

研究と報告

美容形成術希望者の心理特性に関する実態調査の統計的検討

著者: 幸田るみ子1 福山嘉綱1 西脇淳1 石郷岡純2 三浦貞則2

所属機関: 1北里大学東病院精神神経科 2北里大学医学部精神科

ページ範囲:P.523 - P.529

文献概要

 【抄録】 美容形成術希望者全員に,リエゾン精神医学の活動の一環として,精神科診察および心理検査を施行し,美容形成外科患者の社会的背景・心理特性を把握するための実態調査を行った。この結果,以下のことが認められた。①年齢は20歳代後半と40歳代の患者が多いが,男性では10〜20歳代の若年層が比較的多かった。②手術が2回目以上の者が全体の約半数を占め,特に再修正の手術を希望する者が多かった。③対象者180名中63名(35%)の患者に,何らかの精神医学的問題(醜貌恐怖症,うつ病など)が見い出された。④精神医学的な病態が認められた群では,YG性格検査上に情緒的な不安定傾向,思考的内向性の高さが認められた。⑤男女間の心理特性は,男性は女性に比較し神経質・易怒的であり,社会的内向傾向が高かった。
 今後も,美容形成外科領域への精神医学的コンサルテーションや,術前の十分な心理社会的な評価が必要と思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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