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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻5号

1994年05月発行

文献概要

研究と報告

Anorexia nervosaおよびBulimia nervosa患者における強迫症状について—Maudsley Obsessional-Compulsive Inventoryによる評価

著者: 松永寿人1 切池信夫1 永田利彦1 吉田充孝2 山上榮1

所属機関: 1大阪市立大学医学部神経精神医学教室 2浅香山病院

ページ範囲:P.539 - P.546

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 【抄録】 DSM-Ⅲ-Rで診断されたanorexia nervosa 13例(AN群),bulimia nervosa 14例(BN群),強迫性障害患者14例(OCD群)と健常対照者14例(C群)に強迫症状評価尺度であるMaudsley Obsessional-Compulsive Inventory(MOCI)邦訳版,不安症状の評価尺度であるManifest Anxiety Scale(MAS),抑うつ症状評価尺度であるZungのSelf-rating Depression Scale(SDS)を施行した。AN群およびBN群はMOCI総得点,「確認」,「清潔」,「優柔不断」,「疑惑」の各下位尺度得点において,OCD群に比し低値を示したもののC群より高値を示した。またMOCI得点で13点(13/12)をcut off pointとした時,AN群6例,BN群7例が13点以上の高得点を示した。さらにMOCI総得点と「確認」,「清潔」,「優柔不断」の下位尺度得点が,SDSやMAS得点と有意な正の相関を示し,MOCI総得点が13点以上の高得点群は低得点群に比して,SDS,MASの得点で有意な高値を示した。以上のことから摂食障害患者の強迫症状が抑うつや不安症状と密接に関連していることが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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