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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻6号

1994年06月発行

文献概要

特集 精神医学と生物科学のクロストーク

[討論]精神医学と生物科学のクロストーク—生物学的精神医学のストラテジーを求めて

著者: 内村英幸1 永津俊治2 小島卓也3 彦坂興秀4 町山幸輝5 中井久夫6 米田博7 倉知正佳8 中沢恒幸9 融道男10

所属機関: 1国立肥前療養所 2藤田保健衛生大学 3日本大学医学部精神科 4順天堂大学医学部第一生理 5群馬大学医学部精神科 6神戸大学医学部精神科 7大阪医科大学 8富山医科薬科大学 9済生会中央病院 10東京医科歯科大学

ページ範囲:P.621 - P.624

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 司会(融) クロストークというのは,レセプターが他のレセプターや膜成分との間で起こす相互の応答を表す用語ですが,ここではこれを広く解して,生物学的精神医学,基礎医学,精神病理学という離れた研究領域の間の正や負の応答—クロストークを通して,新しいシグナル・トランスダクションが生ずることを期待しています。お招きしたシンポジストは,基礎医学を専攻されている神経生化学者の永津先生,神経生理学者の彦坂先生,精神病理学を専攻されている中井先生,それに生物学的精神医学を専攻されている内村先生,小島先生,町山先生,米田先生,倉知先生です。以上8名のシンポジスト,指定発言者の発表が終わりましたので,これから総合討論に移りたいと思います。はじめに生物学的精神医学領域以外のシンポジストから,ご意見やご提言をいただきたいと思います。彦坂先生どうぞ。
 彦坂 サルの生理学的研究で,頭頂連合野の後のMT野を壊すと動きの知覚がなくなるというのがありますが,分裂病では動きの知覚が悪くなると聞きましたので,眼球運動を含めて精神生理学的な検査を多面的に行うことにより何か見つかってくるのではないか。それを遺伝学と組み合わせて考えていけば行動と遺伝との連関がとらえられるのではないか,と思います。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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