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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻6号

1994年06月発行

研究と報告

Klinefelter症候群患者に認められた心因性視力障害に対する治療的試み—テストステロン補充療法の効果について

著者: 武田雅俊1 金山巌1 佐藤寛1 高橋励1 赤垣裕介1 西村健1

所属機関: 1大阪大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.641 - P.648

文献概要

 【抄録】 35歳時より心因性に視野・視力障害の寛解増悪を繰り返したKlinefelter症候群患者について,精神療法,行動療法,ホルモン補充療法を試みた。視力障害は,精神療法・行動療法のいずれによっても回復したが,しばらくたつと再び症状が出現した。このような症例にホルモン補充療法を試みた。持続性男性ホルモン製剤の投与により,今までにない意欲的な言動や自己主張性が認められるようになり,行動にも攻撃的な面が認められるようになり,急速に視力障害から回復した。本症例は,Klinefelter症候群に特徴的とされる受動的・依存的な性格傾向を備えていたが,性ホルモン値・ゴナドトロピン値が正常化するに従い,その言動に変化が認められ,今回の視力障害回復の一因になったと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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