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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻7号

1994年07月発行

文献概要

研究と報告

精神遅滞を呈したモザイク型49, XXXXX症候群の成人姉妹例—分裂病様状態を合併した妹例を中心に

著者: 高木哲郎1 鳥居方策1 板谷春樹1 川原真理1 小林憲史1 中野茂2

所属機関: 1金沢医科大学神経精神科 2金沢医科大学内分泌内科

ページ範囲:P.743 - P.749

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 【抄録】 糖尿病治療との関連で内科入院中に行った染色体検査により,49, XXXXX症候群であることが判明した成人姉妹例を報告した。G-分染法により本姉妹例は本症候群のモザイク型であり,しかも異常細胞率が非常に低いことがわかった。姉妹とも特記すべき奇形はなく,諸検査でも異常値はほとんどみられなかったが,幼児期より精神遅滞が認められた。最近のWAIS-Rでは姉(58歳時)のFIQは55(VIQ 62;PIQ 50),妹(56歳時)のそれは63(VIQ67;PIQ 66)であった。妹は20歳前後から幻覚,被害妄想,奇異な言動などを有したものと推定されたが,内科入院の数日後に幻聴,関係一被害妄想,幻想性誇大妄想,考想察知,滅裂などの多彩な精神症状を呈した。このうち幻想性誇大妄想は大筋において一定した内容を有し,その主要テーマは「自分は若い頃に歌手および看護婦として東京で活躍し,多くの著名人と知り合いである」というものであった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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