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雑誌詳細

文献概要

短報

抗精神病薬によって発作性知覚変容が出現した躁うつ病の1症例

著者: 福迫博1 外園善朗1 竹之内薫1 松本啓1 滝川守国2 児玉祐一3

所属機関: 1鹿児島大学医学部神経精神医学教室 2鹿児島大学保健管理センター 3児玉病院

ページ範囲:P.759 - P.761

■はじめに
 近年,長期間にわたる抗精神病薬による治療中に,知覚変容を主として,それに錐体外路症状や自律神経症状を伴って発作性に出現する症状が注目されている。これは,山口・中井5)が知覚変容発作と名づけて,精神分裂病における一過性の再燃徴候としたことに端を発する。その後,樋口ら1),佐藤ら2),渡辺6)が精神分裂病の症例において,このような特徴を有する症例に関する研究を行い,本症状群と抗精神病薬の使用が密接な関係を有する症例があることを指摘した。
 ところで,現在までに報告されたものは,そのほとんどが精神分裂病の症例である。筆者らは,発作性知覚変容(paroxysmal perceptual alteration;以下PPAと略す)が出現し,その発現に抗精神病薬の使用が関与していることが推察された躁うつ病の症例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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