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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻7号

1994年07月発行

文献概要

短報

仮名書字のジャルゴン失書を呈した交叉性ブローカ失語の1例

著者: 大山博史12 北條敬3 渡辺俊三12 三浦順子4 玉田聖子4 田崎博一6

所属機関: 1弘前愛成会病院精神科 2現,青森県立つくしが丘病院 3青森労災病院神経科 4黎明郷リハビリテーション病院言語訓練室 5国立八戸工業専門学校 6弘前大学医学部神経精神医学講座

ページ範囲:P.765 - P.767

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 ジャルゴン失書とは,豊富な書字産出量と無意味な文脈によって特徴づけられる錯書である。なかでも,交叉性ブローカ失語に伴うジャルゴン失書は,言語表出面において発語と書字が解離する病態として注目されている4,5)。ところで,これまで本邦で報告された交叉性ブローカ失語に伴うジャルゴン失書例では,自発書字にみられる多量の錯書が,大部分仮名により占められており,漢字書字と仮名書字で錯書の出現様態が異なることを示唆する症例が散見される2,5)。しかし,この点について詳細に検討した報告はない。
 今回我々は,右中大脳動脈領域の脳塞栓で交叉性ブローカ失語を生じ,仮名書字にほぼ限定して出現するジャルゴン失書を呈した症例を経験し,漢字書字と仮名書字の解離について若干の知見を得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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