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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻7号

1994年07月発行

「精神医学」への手紙

Letter—心気の説

著者: 岡田靖雄1

所属機関: 1精神科医療史研究会

ページ範囲:P.777 - P.777

文献概要

 精神科医となって20年ぐらいは心気症の語に違和感をおぼえつづけていた。“依剥昆垤児”などとしるされてきたものに“心気症”の訳語をあてたのは呉秀三で,その『精神病学集要(前編)』(1894年)の『一二訳語ノ出典」に呉は本間棗軒『内科秘録』(1822年)から,“心気病。心気ハ素問二心気瘻ト云ヒ金匱要略ニ心気不足ト有ルヲ鼻祖ト為ス〔下略〕”をひいている。『素問霊枢』脈度篇に“心気。心臓之気也”とあるのである。
 謝観『中国医学大辞典』(1958年,台北)をめくると,“心痺 心気閉塞之病”,“心邪心気失其正向為邪也”,“心気虚則悲”,“心気虚者。其人則畏。〔中略〕魂魄妄行。〔下略〕”などとある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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