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文献概要

研究と報告

アルコール依存症に合併した病的賭博

著者: 森山成彬1 古賀茂1 塚本浩二2 出田哲也1 斉藤雅1

所属機関: 1八幡厚生病院 2産業医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.799 - P.806

 【抄録】 1992年4月から1年間に八幡厚生病院を初診したアルコール依存者全員109名(男101名,女8名)を対象に,病的賭博の合併率を調べた。病的賭博の診断にはSouth Oaks Gambling Screenの邦訳を用い,得点5点以上を病的賭博,4点を問題賭博とした。結果は病的賭博が10名(9%),問題賭博が7名で,いずれも男性であった。男性で,問題賭博を含めた賭博群と非賭博群を比較すると,両者の平均年齢は変わらないが,賭博群は犯罪歴や,泥酔による警察の保護歴が有意に高く,高学歴で,離婚者や未婚者,単身生活者が多く,定職者が少ない傾向がみられた。ドロップアウト率も高かった。アルコール依存症における病的賭博の合併率は米国と大差なく,一般人口中の病的賭博者も欧米並みに多いことが推測された。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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