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文献概要

短報

colpocephalyと脳梁欠損症を認め多彩な精神症状を呈した1成人例

著者: 長坂明仁1 朝田隆1 福澤等1 假屋哲彦1

所属機関: 1山梨医科大学精神神経医学教室

ページ範囲:P.865 - P.867

 colpocephalyとは,側脳室後角のみの拡張状態を形態学的に表現する術語である。その発生率はNooraniら6)によると,健常小児3,411名中14名であり,そのうち8名は後述の脳梁欠損症を合併している。この脳梁欠損症は発生の異常,出産時の外傷などにより脳梁の全部,あるいは一部が欠損した状態をいう。その発生率は一般人口において0.1〜0.3%とされている5)。両疾患において認められる臨床症状はほぼ類似しており,精神遅滞,視神経萎縮を時に伴う視覚障害,てんかん,中枢神経系における他の奇形の合併,筋緊張の低下などである2,3,5,6)。また精神遅滞者にみられる両疾患の率,精神分裂病者にみられる脳梁欠損症の率は健常者に比較して有意に高いとされている7)。こうした患者の中に時に種々の染色体異常を認めることも知られている6)
 今回colpocephalyと脳梁欠損症を合併し,多彩な精神症状と神経心理学的症候を呈した成人例を経験した。これについて若干の考察を加え報告する。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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