文献詳細
文献概要
展望
遅発緊張病
著者: 古茶大樹1 濱田秀伯1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部精神神経科学教室
ページ範囲:P.900 - P.907
文献購入ページに移動■はじめに
今世紀初頭にKraepelin11)は『初老期精神病の領域は,現在おそらく精神医学全体の中で最も不明な領域である』と述べた。21世紀を迎えようとしている今日もなお,初老期以降に発症する内因精神病は,その疾病分類,症候学,病因論,発病状況論において解決すべき課題を数多く抱えた領域であることに変わりない。
その中にあって,遅発緊張病は忘れられた疾患である。遅発緊張病は今日でも存在するのか?存在するとすればどのような形でみられるのか?本論文では,今世紀前半にしばしば取り上げられていた『遅発緊張病』の概念と展開を歴史的に振り返るとともに,今日における症候学的な特徴,その疾病分類学上の位置づけについて展望を試みたい。
今世紀初頭にKraepelin11)は『初老期精神病の領域は,現在おそらく精神医学全体の中で最も不明な領域である』と述べた。21世紀を迎えようとしている今日もなお,初老期以降に発症する内因精神病は,その疾病分類,症候学,病因論,発病状況論において解決すべき課題を数多く抱えた領域であることに変わりない。
その中にあって,遅発緊張病は忘れられた疾患である。遅発緊張病は今日でも存在するのか?存在するとすればどのような形でみられるのか?本論文では,今世紀前半にしばしば取り上げられていた『遅発緊張病』の概念と展開を歴史的に振り返るとともに,今日における症候学的な特徴,その疾病分類学上の位置づけについて展望を試みたい。
掲載誌情報