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文献詳細

雑誌文献

精神医学36巻9号

1994年09月発行

文献概要

研究と報告

多彩な中枢神経症状を呈した慢性トルエン中毒の1例—特にMR,SPECT, PET所見から

著者: 今井公文1 水上勝義1 白石博康1 寺島康1 佐久間健一1 吉川京燦2 宇野公一2 有水昇2

所属機関: 1筑波大学臨床医学系 2千葉大学医学部放射線科

ページ範囲:P.943 - P.948

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 【抄録】 多彩な中枢神経症状を呈した慢性トルエン中毒の1例を報告した。症例は22歳の男性。8年間純トルエンを乱用し,その間人格変化,知能低下,著明な痙性対麻痺,小脳失調などの症状が出現した。MRでは大脳,小脳,脳幹に及ぶ広範な萎縮のほかに,T2強調画像で,大脳白質と橋底部に高信号域を,両側視床に低信号域を認めた。またSPECTとPETでは大脳白質や左視床領域に脳血流の低下や糖代謝の低下を認めた。これらの画像所見は本例でみられた精神神経症状の裏づけとなるものと思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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