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短報
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精神分裂病の治療経過中に挿話性,発作性に知覚変容を主とする病理現象が出現することが知られており,山口・中井8),山口9)はこれを知覚潰乱発作として報告した。筆者は強い抑うつ気分,妄想から自殺企図を含めた衝動行為の可能性の高まった精神分裂病患者に対しECT(electroconvulsive therapy)施行,随伴する知覚変容発作および錐体外路症状も同時に軽快した症例を経験したので若干の考察を含めて報告する。なお,ECTは精神症状の悪化に対する薬物療法の限界から選択し,十分な説明を行い患者の同意を得た上で施行した。
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