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「第1回多文化間精神医学会」印象記
著者: 大西守1
所属機関: 1栃木県精神保健センター
ページ範囲:P.1003 - P.1003
文献購入ページに移動 「第1回多文化間精神医学会総会」が1994年3月17日,山形市の遊学館において開催された。遠くに雪化粧した山々と清楚な街並との対比が美しい中での開催であったが,発表内容は刺激的だった。同学会は昨年の7月に設立された新しい学会で,12月の神戸でのワークショップ開催に引き続いての,第1回総会開催である。
会長講演として,西園昌久教授(福岡大学精神科)より「多文化間精神医学に何を問いかけるか」の発表があった。会の目標と存在意義を問う基調講演であったわけだが,transcultural psychiatryの実践にのぞみ,急激なグローバリゼーションが進む現代において,まさに精神科医ひとりひとりのアイデンティティを考えさせる内容であった。Wittkower, EDの指摘を例に,精神文化的ストレスの意味する多様性,精神科医のtrans(超)文化的な視野の必要性が強調された。また,単一民族と考えがちな日本人も,最近の研究では多民族が関与しているという知見が披露され,多文化間精神医学が意外と身近な存在であることが述べられた。
会長講演として,西園昌久教授(福岡大学精神科)より「多文化間精神医学に何を問いかけるか」の発表があった。会の目標と存在意義を問う基調講演であったわけだが,transcultural psychiatryの実践にのぞみ,急激なグローバリゼーションが進む現代において,まさに精神科医ひとりひとりのアイデンティティを考えさせる内容であった。Wittkower, EDの指摘を例に,精神文化的ストレスの意味する多様性,精神科医のtrans(超)文化的な視野の必要性が強調された。また,単一民族と考えがちな日本人も,最近の研究では多民族が関与しているという知見が披露され,多文化間精神医学が意外と身近な存在であることが述べられた。
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