文献詳細
文献概要
動き
「第1回多文化間精神医学会」印象記
著者: 大西守1
所属機関: 1栃木県精神保健センター
ページ範囲:P.1003 - P.1003
文献購入ページに移動会長講演として,西園昌久教授(福岡大学精神科)より「多文化間精神医学に何を問いかけるか」の発表があった。会の目標と存在意義を問う基調講演であったわけだが,transcultural psychiatryの実践にのぞみ,急激なグローバリゼーションが進む現代において,まさに精神科医ひとりひとりのアイデンティティを考えさせる内容であった。Wittkower, EDの指摘を例に,精神文化的ストレスの意味する多様性,精神科医のtrans(超)文化的な視野の必要性が強調された。また,単一民族と考えがちな日本人も,最近の研究では多民族が関与しているという知見が披露され,多文化間精神医学が意外と身近な存在であることが述べられた。
掲載誌情報