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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻1号

1995年01月発行

文献概要

特集 分裂病者の社会復帰—新しい展開

再発予防とExpressed Emotion(EE)

著者: 大島巌1 伊藤順一郎2

所属機関: 1東京都立大学社会福祉学科 2国立精神・神経センター精神保健研究所

ページ範囲:P.53 - P.58

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■はじめに
 精神分裂病など慢性疾患患者の家族関係の1側面を,家族が患者に対して表出する感情によって把握したExpressed Emotion(EE)は,精神分裂病者の再発を予測する最も主要な社会心理的因子として評価が確立してきた2,6,16)。それとともに,英国の脱施設化と地域ケアの定着という実践的な課題を持って進められたEE研究は,その後,再発予防のための様々な家族支援のプログラムの発達を促した4,16)。また,効果的な家族支援を提供するための,EE形成要因やEEの概念的実質に対する検討も進められている6,16,18)。本稿では,EEと再発の関連性について概観した後,EEの形成要因に関する最近の知見と,そこから導かれる再発子防に有効な家族支援法に対する示唆をまとめることにする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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