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雑誌目次

論文

精神医学37巻10号

1995年10月発行

雑誌目次

巻頭言

マインドへの関心

著者: 祖父江逸郎

ページ範囲:P.1018 - P.1019

 マインド・コントロールという言葉が流行っている。洗脳という言葉が流行し,実際に洗脳された人もあり,洗脳効果が真剣に論議されたことがある。目に見えないものを取り扱って,それを目に見えるようにした形で成果を修めるということで,その過程はなかなかむつかしく,わからないことが多い。しかし,この過程についての挑戦が盛んに行われたことがある。どうしたら,洗脳し,考え方を変換できるのか,その手段は,過程はどうか,など様々のことが盛んに討議され,注目された時代があった。最近問題とされているマインド・コントロールは,洗脳とどんな関係があるのか,共通部分は何か,など興味ある話題である。マインドとは何か,どんな状態なのか,どうしたらとらえられるのか,皆目わからないのに,コントロールする方法などあるのか,具体的には,どのようなことが行われているのか,など多くの関心と興味を呼んでいる。
 バブルの時代には,経済や物質にすべての目が向けられ,極端な拝金主義が横行し,すべては金だと言わんばかりの情勢で,人が金にコントロールされていた。経済第一ですべてのことが考えられる状況で,マインドなど省りみる余裕を持ち合わせていない時代であった。どんな時代でも,金,物質は中心的立場にあり,支配的で,人や考え方も経済にコントロールされているといった感がある。

展望

集団精神療法の最近の動向

著者: 鈴木純一 ,   齋藤英二

ページ範囲:P.1020 - P.1029

■はじめに
 1994年4月の診療報酬の改定に伴い,入院集団精神療法が診療報酬請求の対象として認められるようになった。通院集団精神療法もその対象枠が拡大された。また,診療報酬改定に伴う指針が示された。それによると,入院集団精神療法とは「言葉によるやりとり,劇の形態を用いた自己表現の手法等により,集団内の対人関係の相互作用を用いて,対人場面での不安や葛藤の除去,患者自身の精神症状・問題行動に関する自己洞察の深化,対人関係の修得等をもたらすことにより,病状の改善を図る治療法である。」と定義されている。また実施する際は1回15人を限度とし,1日につき1時間以上週2回といったレセピーが示されている。中久喜28)は日米の入院集団精神療法を比較した論文の中でこの保険化を「入院治療における集団精神療法の効果と必要性が公的(official)に認められたことを意味する」と高く評価し,彼自身が1966年に東大の精神科病棟で集団精神療法を始めた頃の苦闘を回顧している。筆者の1人(鈴木)は当時新入医局員として参加した者であるが,この時の体験を思うとき,まさに隔世の感を持つのである。さて今回の保険化に伴う指針は公的機関の一応の指針であり,これが最も治療的な方法であるというものでないことはもちろんなのであるが,こうしたガイドラインのほうが先行してしまって,今後の集団精神療法の臨床の状況を支配するものになったりしては本末転倒であるという危惧を感じるものは筆者のみではなかろうと思う。現に中久喜の論ずるアメリカの集団精神療法の発展の歴史は,支払機関による制限によってリードされてきた歴史とでも言えるような状況を示している。そこで本小論では集団精神療法における世界的な状況・動向にも目を向けながら,我々の日常の臨床の動向を検討し,その上で最も治療的な臨床状況を発展させるにはどうしたらよいかについて検討したい。

研究と報告

精神分裂病者に対する心理教育ミーティングの効果—疾病・薬物知識度調査の結果から

著者: 連理貴司

ページ範囲:P.1031 - P.1039

 【抄録】疾病・薬物知識度調査を用いて,分裂病者群(入院群とデイケア群)・家族群・健常者群の精神症状や薬物療法についての知識度を測定した。知識度は3群間に有意差はなく,分裂病者の陰性症状と負の相関を,罹病期間とは正の相関を示した。特に入院群では薬物の維持療法に関する知識が乏しかった。さらに入院中の分裂病者に対して心理教育ミーティングを実施し,主に知識度に与える効果について対照群との比較研究を行った。その結果,知識度は実施群だけに有意に増加し,特に薬物療法と再発などに関する項目で増加が著しかった。本ミーティングの効果を左右する要因として,学習ニーズなどの患者側の要因と,教育スタッフ側の方法論的要因の両者を考慮すべきことが示唆された。

生活障害(disability)と精神症状との関連について—精神障害者社会生活評価尺度(LASMI)を用いた分析

著者: 池淵恵美 ,   岩崎晋也 ,   宮内勝 ,   大島巌 ,   杉本豊和

ページ範囲:P.1041 - P.1048

 【抄録】近年リハビリテーションへの期待が高まる中,評価の問題が重要な課題になりつつある。障害者労働医療研究会では,精神分裂病者の生活障害を客観的に評価するために,「精神障害者社会生活評価尺度(LASMI)」を開発した。今回54例を対象に,本尺度と精神症状との関連の解析を行った。①BPRS,SANS,GASと有意な正の相関があり,入院か外来かでも尺度の得点が有意に異なり,概括的な重症度を把握できると思われた。②陽性症状,陰性症状の程度と生活障害のパターンとの間に一定の関連を認めた。これは臨床的な印象とよく一致していた。③本尺度の対象としては,課題遂行能力や対人関係の把握の項目が豊富であり,リハビリテーションに取り組んでいる例が適当と考えられた。

学習理論からみた心的外傷後ストレス障害の発症・維持機制と治療

著者: 木津明彦

ページ範囲:P.1049 - P.1055

 【抄録】心的外傷後ストレス障害(PTSD)の発症機制および治療について,症例を呈示し,主として学習理論の立場に生物学的視点を加味して考察した。本症は,生物学的には「重度のストレスを契機として,交感神経系,視床下部―下垂体―副腎系,内因性オピオイド系などの異常が慢性に持続する病態」とされているが,学習理論の立場からは「外傷事件を契機として条件づけられた恐怖反応」と考えられる。そこで,生物学的にみた重度のストレスは,条件づけにおける強烈な無条件刺激に相当し,外傷体験後に持続する各種生物学的異常は,条件づけられた恐怖反応の消去の阻害要因の1つとみることができる。本症の治療はこのような発症モデルに基づいて,発症の促進要因と症状の消去過程の阻害要因を把握し,学習理論の臨床的応用である行動療法および生物学的研究成果である薬物療法を相補的統合的に適用することが重要である。

摂食障害と結婚(1)—結婚前発症の14症例について

著者: 切池信夫 ,   永田利彦 ,   松永寿人 ,   飛谷渉

ページ範囲:P.1057 - P.1061

 【抄録】anorexia nervosaやbulimia nervosaなどの摂食障害を結婚前に発症した14例,調査時年齢,罹病期間を適合させた結婚歴のない独身15例,思春期発症の独身14例について患者背景および,臨床像について比較した。既婚例は,思春期発症の独身例に比し,初発および調査時年齢において高く,罹病期間が長かった。しかし臨床像において異ならず,既婚例も独身例も過食や嘔吐を示すbulimia nervosaが過半数を占めた。一方,調査時年齢と罹病期間を適合させた独身例との比較では,患者背景,臨床像および経過においても同じ傾向を示した。結婚後の臨床像の変化についてみると,4例が結婚または離婚後に摂食行動の悪化を示したが,他の症例は変化しなかった。以上のことから,結婚前に摂食障害を発症し,これが完治せず,結婚後も持続している場合,結婚は摂食障害を克服する契機とならず,生活上の困難に直面した時に悪化し,長期の経過をとり予後は悪いものと考えられた。

水中毒と悪性症候群の関係について

著者: 井上雄一 ,   松崎太志 ,   西川真理子 ,   室津和男 ,   杉原徳郎 ,   浜副薫 ,   挟間秀文

ページ範囲:P.1063 - P.1070

 【抄録】水中毒に悪性症候群(neuroleptic malignant syndrome;以下NMS)を合併した6症例について,その臨床症状と各種検査所見の推移について検討し,水中毒とNMSの病態上の因果関係につき考察した。
 NMS症状の臨床類型としては,4症例が錐体外路症状を主体とした不全型であり,2症例が完全型であった。またNMSの発症は,水中毒が起こってから1〜2日後であり,NMS発症時点では血清Na値はほとんどの症例で正常化していた。また,血清CPKは水中毒発症時点ですでに高値を呈していたが,NMS移行後さらに上昇した。水中毒―NMSの全経過は10日前後で,後遺症状を残した者はなかった。
 以上より,水中毒はNMS発症の強い要因となるものであり,特に錐体外路症状との因果関係が深いと考えられた。

せん妄の回復に関連する臨床要因について

著者: 狩野正之 ,   宮永和夫 ,   町山幸輝

ページ範囲:P.1071 - P.1077

 【抄録】せん妄の回復の良否に影響を及ぼす臨床要因を明らかにするため,一般診療科入院中に発症したせん妄116例の回復状況を調べ,臨床要因との関連を検討した。治療開始から2週以内に116例中71例(61%)の患者が回復し,以後回復率の著しい低下がみられ,20例(17%)が遅れて回復した。25例(22%)は死亡あるいは痴呆への移行という非回復の転帰をとった。2週間以内の短期回復群と比較し遷延群では,発症から治療までの期間が有意に長かった。短期回復群と非回復群の比較では,基礎疾患の種類が異なり,非回復群では悪性腫瘍が多かった。また非回復群ではせん妄持続期間が有意に長かった。短期回復群と遷延群あるいは非回復群との間で,性,年齢,痴呆の合併率,重症度,治療薬物の使用率では有意な差はなかった。以上より,せん妄の回復期間は治療開始までの期間,また転帰は基礎疾患の種類およびせん妄の持続期間と関連していると考えられた。

睡眠時無呼吸症候群および精神遅滞を伴ったPierre Robin症候群の1症例

著者: 戸島覚 ,   切池信夫 ,   横谷昇 ,   中西重裕 ,   橋本博史 ,   西浦竹彦 ,   山上榮

ページ範囲:P.1079 - P.1083

 【抄録】Pierre Robin症候群の症例を経験した。症例は16歳の女性,無職。妊娠34週,顔位自然分娩にて,体重1,800gで出生した。出生時下顎形成不全および舌根沈下が認められ無呼吸とチアノーゼを呈していた。1992年3月に中学卒業し,4月より某職業訓練校に通いだしたが,帰宅が遅い,無断で外泊するなどの問題行動を認めたため同校を中退した。16歳時,精査目的にて入院となった。入院時,身長149cm,体重29kgと低身長,高度のやせを認めた。外表奇形として小下顎,外反肘,耳介の軽度の変形,外耳道の軽度の変形を認め,恥毛と腋毛がなく月経も未発来であった。そして軽度障害域の精神遅滞と睡眠時無呼吸症候群を認め,Pierre Robin症候群と診断された。本例について若干の考察を加えた。

経過中に急性精神病像を示した両側前頭葉障害の2例

著者: 奥田正英 ,   松井明子 ,   藤田慎三 ,   鈴木祐一郎 ,   濱中淑彦

ページ範囲:P.1085 - P.1092

 【抄録】両側前頭葉に限局した損傷を持ち,50歳ころから精神運動性興奮,高揚感や至福感あるいは抑うつ感などを示す気分変調,妄想気分や被害妄想,時に誇大妄想に至る妄想や幻覚などの急性精神病像を繰り返した2症例を報告し,精神医学的,神経心理学的,そして画像診断学的な検討を行った。この損傷は,いわゆる分水嶺梗塞と考えられたが,発生時期や原因は不明であり,気分や精神運動性の変調,そして幻覚や妄想などの多彩な精神症状と両側前頭葉病変とを直接関連づけるには慎重を期する必要があると考えた。注意障害のある1例にAPT(Attention Process Training)を実施したところ,発動性の改善と社会的外向がみられ復職した。

多彩な自律神経症状を伴い診断が困難であった特発性過眠症の1例

著者: 土山祐一郎 ,   内村直尚 ,   坂本哲郎 ,   小鳥居剛 ,   松口直成 ,   辻丸秀策 ,   中沢洋一

ページ範囲:P.1093 - P.1098

 【抄録】症例は16歳男性。11歳より失神や多彩な自律神経症状を認め,さらに12〜13歳頃より昼間の眠気が顕著となった。HLA-DR2が陽性で入眠時幻覚を伴うため特発性過眠症とナルコレプシーとの鑑別が必要であった。情動脱力発作や睡眠麻痺などの他のREM関連症状や,昼寝後の爽快感を認めず,昼間の眠気は発作性ではなく,比較的我慢することが可能であり,精神賦活剤は著効しなかった。また,睡眠ポリグラフィー検査ではREM潜時の短縮(SOREM)はみられなかった。一方,自律神経検査で副交感神経系が不安定な状態にあることが示唆された。以上の臨床経過や検査結果より本症例は特発性過眠症と考えられた。

抗精神病薬減量中に生じた呼吸性ジスキネジアの1症例

著者: 黒田陽子 ,   古塚大介 ,   平山栄一 ,   中西亜紀 ,   切池信夫 ,   山上榮

ページ範囲:P.1099 - P.1104

 【抄録】抗精神病薬の減量により呼吸性ジスキネジアを生じた老年期幻覚妄想状態の1症例を報告した。本症例は特発性乳糜胸水を合併し,抗精神病薬の減量中に,肩の上下運動や過呼吸がみられ,血液ガスに異常なく,呼吸機能検査にてpeak flowと,V25(25%肺活量での呼気速度)の低下が認められた。抗精神病薬投与により生じる呼吸性ジスキネジアの報告例は少ないが,看過されている可能性もあり,稀に生命的危険を伴う重篤例もあることから注意が必要と思われる。また,本症例のように呼吸器に何らかの障害を有する場合,特に高齢者に対して抗精神病薬を投与する場合には呼吸性ジスキネジア発生の可能性を配慮する必要があると考えられた。

短報

慢性精神分裂病の患者2症例に併発した恐慌発作に対する塩酸トラゾドンの効果

著者: 善本正樹 ,   樋口久 ,   穂積慧 ,   清水徹男 ,   菱川泰夫

ページ範囲:P.1105 - P.1108

 長期間にわたって抗精神病薬を服用している精神分裂病の患者において,恐慌発作が高頻度に認められるとの報告がある1)。しかし,精神分裂病の患者にみられる恐慌発作に対しては,恐慌性障害(DSM-Ⅲ-R)の患者と同様に,alprazolamやimipramineが有効だとする報告4,9)や,抗精神病薬の減量によって恐慌発作が軽減したとする報告1)などがあり,その治療方法は十分に確立されているとは言い難い。
 今回,我々は,DSM-Ⅲ-Rで恐慌性障害の診断基準を満たす特徴を備えた恐慌発作と強い抑うつ気分を呈した慢性精神分裂病の患者2症例に対して,塩酸トラゾドンを投与したところ,恐慌発作と抑うつ気分に対して著明な改善がみられ,その後も,安定した経過をたどったという経験をした。また,この臨床知見をもとに,精神分裂病の患者にしばしば合併する恐慌発作の発症機序や薬物治療について若干の考察を加えた。

マレイン酸チモロール点眼液により抑うつ症状が遷延した緑内障の1例

著者: 一宮洋介 ,   森大輔 ,   阿部道郎 ,   井上令一

ページ範囲:P.1109 - P.1111

 マレイン酸チモロール(timolol maleate;以下timololと略する)は非選択的β遮断剤で,眼への局所投与で優れた眼圧低下効果を示すことから,緑内障の治療薬として広く使用されている。この点眼液はその臨床導入以来様々な副作用が報告されたが,重篤なものは少なく比較的安全性の高い薬物とみなされている8,9)。しかし稀ながら抑うつ,不安,失見当識など中枢神経系の副作用が出現することが知られており9),このために使用中止に至った例も報告されている5)
 今回我々は,反応性の抑うつ状態がtimololの点眼液で遷延化したと思われる緑内障の1例を経験したので,報告する。

自殺を目的とした放火—精神分裂病者の攻撃性と自己実現

著者: 小林一弘 ,   大原健士郎

ページ範囲:P.1112 - P.1114

 中田5)は我が国でも放火と自殺との関連性について関心が払われており,中村や小木の先駆的研究があると述べている。しかし,黒澤2)の報告によると精神分裂病者の自殺手段として放火(焼身)が選択される確率は6%であり,都立墨東病院と監察医務院の1978年の統計7)では4.9%足らずで決して多くない。
 今回,自殺の方法に焼身自殺を選択し,自宅に放火したが未遂に終わった精神分裂病の精神鑑定例を報告した。本症例に,若干の精神病理学的考察も加えた。攻撃性に注目すると,「自己攻撃(自殺)」と家族の所有財産である家屋の破壊という「他者攻撃」の要素が両価的に認められた。そして,病者を自殺に追い込む心理状態の形成の原因には主に,自己不全感,自己卑下感を中心とした葛藤があると思われたが,攻撃性の表出形態には,環境要因(家族の共同体としての機能不全)や,管理社会の抑圧などが複雑に関与していると考えられた。また,「アピール性」から,自己の強さを証明し「自己実現」を希求したものと考えられた。

重度の痴呆例におけるapolipoprotein ε4対立遺伝子の頻度

著者: 井形るり子 ,   井形朋英 ,   石塚公子 ,   木村武実 ,   吉田浩之 ,   城忠志 ,   桂木正一 ,   高松淳一 ,   宮川太平

ページ範囲:P.1115 - P.1117

 ヒトアポリポ蛋白E(アポE)遺伝子は,3.7kb,19番染色体に位置し,一般人口中に3種類の対立遺伝子,APOE-ε2,APOE-ε3,APOE-ε4が存在する。それぞれ合成されるアポEペプチド(E-2,E-3,E-4)は,野生型とされるE-3に対し,E-4,E-「訪問看護と介護」編集室さま2ではそれぞれ112番目あるいは158番目の残基でArg→Cys,あるいはCys→Argの置換が生じている。近年APOE-ε4と遅発性孤発性アルツハイマー病,遅発性家族性アルツハイマー病の緊密な関係が報告されており,APOE-ε4をホモで持つと,80歳までに遅発性アルツハイマー病を発病する可能性が高くなるとも言われている1,6)
 今回我々は,polymerase chain reaction(PCR)法を用いて,痴呆患者のアポE遺伝子の多型性(polymorphism)を調べ,臨床経過との関連を考察したので,ここに報告する。

動き

「第12回日本集団精神療法学会」印象記

著者: 武藤隆

ページ範囲:P.1118 - P.1119

 1995年6月23,24日の2日間にわたり,北海道十勝平野の北部に位置する音更町において第12回日本集団精神療法学会が,北海道立緑が丘病院伊藤哲寛院長を大会長にして開催された。今回は例年の開催時期からずれて北海道が最も美しい6月が選ばれ,参加者は540余名であったという。
 第12回大会は「集団精神療法との出会い」を大会テーマとして,4つの柱から構成されていた。大会長の伊藤氏による基調講演,土居健郎氏の特別講演,シンポジウム4題と討論,教育講演3題と討論という太い柱が大会テーマに沿って中心に据えられ,一般演題52題,ワークショップ,事例検討の3つが配置されていた。実に盛り沢山な内容であり,興味をそそられるものも多く,すべてに参加できなかったことは心残りであった。ささやかな見聞によってであるが,この学会の熱気こもる様子を紹介したいと思う。

基本情報

精神医学

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-126X

印刷版ISSN 0488-1281

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