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研究と報告
精神分裂病者に対する心理教育ミーティングの効果—疾病・薬物知識度調査の結果から
著者: 連理貴司1
所属機関: 1久留米大学医学部精神神経科学教室
ページ範囲:P.1031 - P.1039
文献購入ページに移動 【抄録】疾病・薬物知識度調査を用いて,分裂病者群(入院群とデイケア群)・家族群・健常者群の精神症状や薬物療法についての知識度を測定した。知識度は3群間に有意差はなく,分裂病者の陰性症状と負の相関を,罹病期間とは正の相関を示した。特に入院群では薬物の維持療法に関する知識が乏しかった。さらに入院中の分裂病者に対して心理教育ミーティングを実施し,主に知識度に与える効果について対照群との比較研究を行った。その結果,知識度は実施群だけに有意に増加し,特に薬物療法と再発などに関する項目で増加が著しかった。本ミーティングの効果を左右する要因として,学習ニーズなどの患者側の要因と,教育スタッフ側の方法論的要因の両者を考慮すべきことが示唆された。
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