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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻10号

1995年10月発行

研究と報告

多彩な自律神経症状を伴い診断が困難であった特発性過眠症の1例

著者: 土山祐一郎1 内村直尚1 坂本哲郎1 小鳥居剛1 松口直成1 辻丸秀策1 中沢洋一1

所属機関: 1久留米大学医学部精神神経科

ページ範囲:P.1093 - P.1098

文献概要

 【抄録】症例は16歳男性。11歳より失神や多彩な自律神経症状を認め,さらに12〜13歳頃より昼間の眠気が顕著となった。HLA-DR2が陽性で入眠時幻覚を伴うため特発性過眠症とナルコレプシーとの鑑別が必要であった。情動脱力発作や睡眠麻痺などの他のREM関連症状や,昼寝後の爽快感を認めず,昼間の眠気は発作性ではなく,比較的我慢することが可能であり,精神賦活剤は著効しなかった。また,睡眠ポリグラフィー検査ではREM潜時の短縮(SOREM)はみられなかった。一方,自律神経検査で副交感神経系が不安定な状態にあることが示唆された。以上の臨床経過や検査結果より本症例は特発性過眠症と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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