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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻10号

1995年10月発行

研究と報告

抗精神病薬減量中に生じた呼吸性ジスキネジアの1症例

著者: 黒田陽子1 古塚大介1 平山栄一2 中西亜紀1 切池信夫1 山上榮1

所属機関: 1大阪市立大学医学部神経精神医学教室 2平山クリニック

ページ範囲:P.1099 - P.1104

文献概要

 【抄録】抗精神病薬の減量により呼吸性ジスキネジアを生じた老年期幻覚妄想状態の1症例を報告した。本症例は特発性乳糜胸水を合併し,抗精神病薬の減量中に,肩の上下運動や過呼吸がみられ,血液ガスに異常なく,呼吸機能検査にてpeak flowと,V25(25%肺活量での呼気速度)の低下が認められた。抗精神病薬投与により生じる呼吸性ジスキネジアの報告例は少ないが,看過されている可能性もあり,稀に生命的危険を伴う重篤例もあることから注意が必要と思われる。また,本症例のように呼吸器に何らかの障害を有する場合,特に高齢者に対して抗精神病薬を投与する場合には呼吸性ジスキネジア発生の可能性を配慮する必要があると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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