icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻11号

1995年11月発行

文献概要

研究と報告

摂食障害と結婚(2)—結婚後に発症した25例について

著者: 切池信夫1 松永寿人1 永田利彦1 飛谷渉1 西浦竹彦1 宮田啓1

所属機関: 1大阪市立大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.1147 - P.1153

文献購入ページに移動
 【抄録】結婚後に摂食障害を発症した25例について,28歳以上の結婚歴のない独身の摂食障害患者21例と患者背景,発症状況,臨床像,経過などを比較した。既婚例は独身例に比して初発および調査時年齢が高く,罹病期間が短い,高学歴の傾向を示したが,臨床像において同じ傾向を示した。そして既婚例の摂食障害を発症した状況や契機について,夫婦関係や結婚生活の危機が14例(56%),離婚やその後の生活上の問題が5例(20%),妊娠が2例(8%),その他養父母の死,生活の不規則,結婚の反対,うつ状態などを各1例(4%)ずつ認めた。一方,独身例においてはダイエット12例(55%),就職6例(27%),その他失恋,家庭不和,親への反抗などが1例(5%)ずつであった。このように既婚例と結婚歴のない独身例とでは発症状況や契機において異なり,これらの結果に若干の考察を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?