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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻11号

1995年11月発行

文献概要

研究と報告

Clomifene citrate-HCG療法および黄体・卵胞混合ホルモン剤が有効であった周期性精神病の1例

著者: 高橋徳恵1 四宮雅博1 井上令一1 桑原慶紀2

所属機関: 1順天堂大学医学部精神医学教室 2順天堂大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.1171 - P.1175

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 【抄録】症例は発症時11歳の女子で約30日に1回,初経開始後は月経周期に一致して昏迷のみを繰り返した。入院時検査所見では基礎体温は不規則で正常な下垂体,性腺系ホルモンの分泌動態を認めず,LH-RH負荷試験は視床下部障害型の反応で,無排卵性月経が示唆された。そこで排卵誘発法を開始し,clomifene citrate-HCG療法を2周期以上にわたって連続施行したところで病相の消失に著効を奏した。しかし同法の継続は将来種々の問題を発現する可能性があり,estrogen・progesterone混合ホルモン剤投与に切り替えたが同剤も病相予防に著効した。以上2通りの方法が病相予防に有効であったことから,周期性精神病の病因にはestrogen,progesteroneの中枢に対する作用が関与していることが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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