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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻11号

1995年11月発行

文献概要

研究と報告

遷延性抑うつ状態が先行したCreutzfeldt-Jakob病の1剖検例

著者: 小林聡幸13 青沼架佐賜14 塩原順子1 巽信夫1 吉松和哉1 佐野健司2

所属機関: 1信州大学医学部精神医学教室 2信州大学医学部第二病理学教室 3現,長野県立阿南病院精神科 4現,篠ノ井総合病院小児科

ページ範囲:P.1177 - P.1183

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 【抄録】2年間という長期にわたる抑うつ状態の後に発症したCreutzfeldt-Jakob病(CJD)の症例を報告した。本例は,2年間にわたって軽うつ状態が持続し,遷延性うつ病の診断で,入院となった。入院治療により3か月ほどで軽快し,退院を考えた矢先,痴呆様の症状が現れ,以後,急速に意識障害が進み,ミオクローヌス・周期性同期性放電がみられ,無動無言状態となった。神経病理学的にもCJDと診断された。CJDの初発精神症状として,抑うつはまれではないが,通常,初期症状は数週間とされている。本例の抑うつ状態は,CJDの初期症状である可能性も否定はできないが,内因性うつ病との合併の可能性が高いと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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