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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻11号

1995年11月発行

文献概要

短報

フルニトラゼパムが奏効した悪性症候群の1例

著者: 左光治1 清水章1 圓尾和子2 黒田健治2 米田博2

所属機関: 1大阪医科大学中央検査部 2大阪医科大学神経精神科

ページ範囲:P.1214 - P.1216

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 悪性症候群に対する治療薬としてダントロレン,プロモクリプチン,ジアゼパムなどが有効であるという報告があるが4,8),近年の傾向としてはダントロレン,プロモクリプチンで治療するのが一般的である8)。また病態に関しても研究が進み,ドーパミン受容体遮断仮説2,6),ドーパミン・セロトニン不均衡仮説7),GABA欠乏仮説4)などが提唱されている。しかしいずれもが仮説の域を出るものではなく,本格的な病態解明には至っていないのが現状である。
 今回我々は悪性症候群患者に対してベンゾジアゼピン系のフルニトラゼパムを使用することにより良好な経過の得られた症例を経験した。本症例の経過から,悪性症候群に対してGABAニューロンの賦活が何らかの治療効果を及ぼしたものと考えられた。本症例の臨床経過を報告し,悪性症候群の病態とGABAの関係について考察を行った。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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