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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻12号

1995年12月発行

研究と報告

分裂病と非定型精神病(満田)の発症年齢と性差について

著者: 林拓二1 須賀英道1 安藤琢弥1 松岡尚子1

所属機関: 1愛知医科大学精神神経科学教室

ページ範囲:P.1255 - P.1263

文献概要

 【抄録】愛知医大精神科に1982年からの10年間に入院し,精神病症状を示した351名を対象に,従来診断とICD-10による分裂病と非定型精神病の性差と発症年齢を検討した。
 分裂病は,いずれの診断にしろ10歳台の後半に発症し,非定型精神病は20歳から30歳台に多くの発症が認められた。発症年齢は一般に女性に遅い傾向を示すが,従来診断では男女間に有意の差は認めず,ICD-10の分裂病で有意の差が認められた。非定型精神病は,いずれの診断でも有意の差が認められた。
 非定型精神病には女性が多く,男性に比べて30歳台前半や40歳台以降にも発症が多くみられ,遺伝負因のない場合も多いことは,女性に特有な生殖作業や更年期障害にかかわる何らかの病態が包含されているように思われる。従来診断の分裂病が比較的中核群より構成されていると考えうるのに対し,非定型精神病はさらに詳細な分類を試みる必要があろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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