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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻12号

1995年12月発行

文献概要

研究と報告

観念的防衛の特性からみた境界例と分裂病

著者: 森島章仁1

所属機関: 1信州大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.1265 - P.1271

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 【抄録】知性化による防衛が働いている症例では,しばしば分裂病か否かの診断が困難なことがある。筆者は,知的防衛の強い2症例を前医から引き継ぎ,担当した。どちらにも異常体験が認められ,症候学的には分裂病を疑いうる症例であった。1例はこれまで分裂病と診断されており,もう1例は,分裂病を疑いながらも,確定診断は保留にされていた。この2症例において,知的防衛の特性を把握していくことにより,両者の存在様態の違いが明瞭になっていくように思われた。その結果,1例目は境界例,2例目は分裂病と考えるのが妥当であった。2症例に共通した防衛を観念的防衛ととらえ,その特性と存在様態の相違について考察を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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