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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻12号

1995年12月発行

文献概要

研究と報告

精神症状で発症し予後良好な麻疹脳炎の1成人例

著者: 橋本博史1 切池信夫1 小出誠司1 松田康秀1 大西博1 山上榮1

所属機関: 1大阪市立大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.1289 - P.1295

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 【抄録】精神症状を前景として発症した成人の麻疹脳炎に関する報告は極めて少ない。今回我々は48歳の女性で,発熱,皮疹などの前駆症状もなく突然不眠,異常言動,幻聴などの幻覚妄想状態で発症し,その後けいれん発作,発熱,意識障害,髄膜刺激症状を呈し,昏睡状態が約2週間続いたにもかかわらず,約4か月後に神経学的にはほぼ正常に,約1年後には知的機能も改善しなんら後遺症も残さず治癒した麻疹脳炎の症例を経験した。血中麻疹HI抗体価は256倍まで,髄液中麻疹HI抗体価は4倍まで上昇し,血中麻疹ウイルス特異IgM抗体は陽性であった。本症例にみられた精神症状,診断,経過などについて若干の考察を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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