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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻12号

1995年12月発行

文献概要

研究と報告

ライフ・イベントとしての出産—恐慌性障害,全般性不安障害,および大うつ病における比較

著者: 塩入俊樹1 村下淳1 高橋三郎1

所属機関: 1滋賀医科大学

ページ範囲:P.1303 - P.1306

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 【抄録】ライフ・イベントとしての出産に関して調査を行った。対象は,20歳代から40歳代までの妊娠可能な女性患者で,当科を初診し,DSM-ⅢおよびDSM-Ⅲ-R診断基準によって恐慌性障害(PD群;70例),全般性不安障害(GAD群;82例),および大うつ病単一エピソード(MD群;71例)と診断された合計223例とした。発症1年以前のライフ・イベントが出産であった者は21名で,その割合は,MD患者で有意に高かった(PD群:2.9%,GAD群:7.3%,MD群:18.3%)。第1子出産後に発症した者は21例中16例(76.2%)を占め,また4分の3以上の者では,出産後3か月以内に発症していた。また妊娠あるいは流産をライフ・イベントとした者は4例で,そのうち3例がGAD群,残りの1例がPD群であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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