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研究と報告
精神分裂病患者の「草むらテスト」における表現の適切性
著者: 横田正夫1
所属機関: 1日本大学文理学部心理学研究室
ページ範囲:P.137 - P.141
文献購入ページに移動 【抄録】草むらテストの臨床的有用性を調べるために,分裂病患者,正常者のそれぞれの青年期,中年期の各25名,計100名から得られた草むらテストの描画を,正常者2名が表現の適切性について評定した。その結果,分裂病患者の評定値は青年期と中年期のいずれにおいても正常者のそれより有意に低く,表現の適切性が劣ることが明らかにされた。個々の描画を見ても,分裂病患者の描画には,草むらテスト課題の解決が十分でないものや解決を放棄した独特のものが見いだされていたが,正常者の描画にはそのようなものは認められなかった。これらのことから草むらテストが青年期,中年期のいずれにおいても分裂病患者と正常者を鑑別するために有用であることが示唆された。
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