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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻2号

1995年02月発行

研究と報告

家族への憑霊妄想に基づいて自室に放火した三人組精神病(folie à trois)

著者: 風祭元12 鈴木幹夫1 斉藤高雅3 津川律子1

所属機関: 1帝京大学医学部精神科学教室 2現,東京都立松沢病院 3東京大学医学部健康科学・看護学科精神衛生・看護学教室

ページ範囲:P.153 - P.161

文献概要

 【抄録】父(A)59歳,母(X)54歳,長女(B)27歳,次女(C)24歳,長男(Y)15歳の5人家族内で,A,B,Cの3人がほぼ同時に憑霊妄想を共有して精神病状態に陥った三人組精神病(folie à trois)の症例を報告した。この家族は,東北地方で育ち,東京で生活していたが,Yが精神分裂病になり,病状が悪化しつつあった。AとBは,僧侶の指導の下に信仰によりYを治療しようと試みていたがうまくゆかず,BはYに先祖の悪霊が愚いているという妄想を持つに至った。この状況に,それまで別居していたCが入り込んで祈禱性精神病の状態になり,A,B,Cの3人が憑霊妄想を共有し,悪霊を払うために室内に放火し,逮捕された。この3人が発病に至るまでの精神病理についてさまざまな側面から考察を加え,また,感応精神病の司法責任能力についても論じた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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