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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻2号

1995年02月発行

文献概要

研究と報告

長期にわたる再燃と寛解を繰り返し,臨床的にMarchiafava-Bignami病と診断された1例

著者: 竹内賢1 新国茂2 柳沼典正3 丹羽真一1

所属機関: 1福島県立医科大学神経精神科 2安積保養園 3塙厚生病院精神神経科

ページ範囲:P.163 - P.169

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 【抄録】MRIと神経心理学的検査によって診断しえたMarchiafava-Bignami病(MB病)の1例を経験した。本症例は長年の飲酒歴を持ち,てんかん様発作,意識障害,多彩な神経症状を呈しながら十数年にわたって入退院を繰り返した後,同様の症状による5回目入院時にMRIで脳梁の中心性病変,また神経心理学的にDichotic Listening Testで強い右耳優位性と,視空間課題における右手の拙劣化が認められ,臨床的に本症と診断された。CTでは脳梁病変は確認できなかった。急性期症状からは過去の入院時症状も本症によるものである可能性があり,本症例はMB病の再燃例である可能性が示唆された。本症例では5回円人院時には断酒中であり,低栄養状態を症状発現の契機としていた。以上よりMarchiafava-Bignami病の再発の可能性を指摘し,MRI診断の有川性と,栄養管理の重要性を強調した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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