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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻2号

1995年02月発行

研究と報告

多飲から肺水腫を来した水中毒の1死亡例—肺水腫併発例の文献的検討

著者: 榎田雅夫1 山崎潤1 山内俊雄1

所属機関: 1埼玉医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.179 - P.185

文献概要

 【抄録】抗精神病薬の自己中断後に,精神症状の再燃に伴って突然の多飲から水中毒を来した精神分裂病の1症例を報告した。全身けいれん発作,昏睡,呼吸困難を示し,胸部X線検査で著明な肺水腫所見を認めたが,その後呼吸・心停止を来して急速に死の転帰をとった。
 これまで報告された肺水腫を併発した水中毒症例に本症例を加えた10症例について検討した結果,1)重篤な意識障害とけいれん発作を示す例が多いこと,2)呼吸困難,チアノーゼ,胸部ラ音聴取などの呼吸器症状を示すことが特徴的であること,3)著明な低Na血症を示す症例が多いこと,4)脳浮腫を合併する症例が多いこと,5)死亡率が高く予後不良であること,などが特徴と考えられた。
 水中毒の診断と治療に当たって肺水腫の併発に留意すべきことを強調し,肺水腫併発例には積極的な治療が重要であることを述べた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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