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「第35回日本児童青年精神医学会総会」印象記
著者: 古元順子1
所属機関: 1岡山大学教育学部
ページ範囲:P.218 - P.219
文献購入ページに移動本学会のメインテーマは,目覚ましい神経科学領城の研究知見を踏まえて,児童の分裂病を考えるというもので,融道男氏(東京医科歯科大学神経精神科教授)による記念講演が行われた。周知のように,氏は分裂病の異種性についての一連の生物学的研究の中で,世界に先駆けてドーパミン受容体遺伝子のコドン311すなわち,システイン突然変異を発見し,分裂病群内での分布を明らかにした研究者である。氏は「精神分裂病の成因をめぐって」の演題で,ドーパミン伝達過剰仮説に焦点を当て,D2/Cyst 311を発見するに至った経緯をわかりやすく図解した。また,システインを持つ人は陽性症状を示す分裂病への易罹病性を持ち,抗精神病薬に反応するサブタイプと関連することを示し,システインを持つ人の生き方を研究することが,分裂病予防につながるとの貴重な示唆を聴衆に与えた。
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