icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻3号

1995年03月発行

文献概要

展望

精神科診断学の基本問題—記述・了解精神病理学について

著者: 諏訪望1

所属機関: 1埼玉医科大学神経精神科センター

ページ範囲:P.232 - P.241

文献購入ページに移動
■はじめに
 現代の精神医学における潮流の一つとして,主としてアメリカで開発された操作的診断基準の実用化を挙げることができる。国際的な協同研究,特に精神疾患の疫学的研究や生物学的研究の場合には,診断名の統一が絶対必要条件であるので,その目的に適う操作的診断基準の価値を否定する人はない。
 この問題に関しては,筆者も1981年以来,折に触れて見解を述べてきた25,27,28)。ところで,この操作的診断基準開発の背景には,Meyer, A. とFreudの思想の影響,つまり,診断名決定ということにあまり重点を置かない傾向を改善するための対策という,アメリカ特有の事情があったことも見逃せない。いずれにしても,我々は精神医学の歴史の中で,精神科診断学の基本的な在り方について,反省をこめて絶えず公正な道を開拓していくことを忘れてはならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら