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研究と報告
慢性の残遺型精神分裂病者にみられる食事摂取行動の特徴
著者: 森千鶴1 佐々木日出男2
所属機関: 1東京都立医療技術短期大学 2筑波大学心身障害学系
ページ範囲:P.277 - P.283
文献購入ページに移動 【抄録】精神分裂病者は食事摂取が不規則で,摂取時間が短い傾向が指摘されている。本研究では,残遺型精神分裂病者の食事行動の特徴を踏まえ,援助方法について考察することを目的とした。調査対象は,慢性の残遺型精神分裂病者とし,陽性症状のある精神分裂病者,躁うつ病者,アルコール依存症者を対照群とした。各対象者の食事摂取場面から食事摂取時間を測定するとともに食事行動について観察した。残遺型精神分裂病者は,躁うつ病群やアルコール依存群,陽性症状群と比較して食事摂取時間が短く,単位食事摂取景が多いという結果を得,残遺型精神分裂病者特有の行動であることが明らかになった。残遺型精神分裂病者に食事中に看護者が声をかけたところ,他の人との会話がはずみ,笑顔も見られた。精神分裂病者の食事行動は,日常生活上の障害としてだけでなく,精神分裂病者特有の対人関係能力の問題や,生活の基盤となるものの障害としてもとらえることができる。
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