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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻3号

1995年03月発行

文献概要

研究と報告

精神外科手術長期経過後の精神医学的総合評価

著者: 足立直人12 豊田純三13 明石俊雄14 村上弘司1 武川吉和15

所属機関: 1国立精神・神経センター武蔵病院 2国立療養所多磨全生園精神科 3国立療養所榊原病院 4長野県立駒ヶ根病院 5小田原市立病院

ページ範囲:P.285 - P.290

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 【抄録】精神外科手術を受け長期(平均36.8年)経過した分裂病長期在院患者20例(手術群)の精神医学的定量評価を行い,年齢や罹病期間がほぼ同等の手術歴のない分裂病長期在院患者20例(対照群)と比較検討を行った。
 精神症状では,思考解体,衒奇症,高揚気分で手術群が高値を示し,罪業感は対照群で有意に高かった。病棟内日常生活行動では,手術群で行動減少に加え身繕い,食事摂取,排尿調節の能力低下が認められた。また手術群は,知的機能が低く思考判断力も低い傾向が認められた。結果的に精神外科手術は精神症状の本来の経過に大きな影響なく,認知機能の低さや日常生活能力の低下と相まって,患者の適応状態を悪化させていることが考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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