icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻3号

1995年03月発行

文献概要

研究と報告

強迫性障害に対するMaudsley Obsessional Compulsive Inventory(MOCI)邦訳版の有用性について

著者: 吉田充孝1 切池信夫1 永田利彦1 松永寿人1 山上榮1

所属機関: 1大阪市立大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.291 - P.296

文献購入ページに移動
 【抄録】30項目よりなる自己記入式の強迫症状の臨床評価尺度,Maudsley Obsessional Compulsive Inventory(MOCI)の邦訳版を作成し,これと不安症状評価尺度(MAS),抑うつ症状評価尺度(SDS),性格検査(MPI)などをDSM-Ⅲ-Rの診断による強迫性障害者(0群)18例,恐慌性障害者(P群)10例,健常対照者(C群)32例に施行した。健常対照者を対象とした,1か月間隔での再テスト法による信頼性係数は0.68で,内的整合性を示すα係数は,すべての尺度で0.7以上の高値を示した。MOCI総得点と4つの下位尺度得点においてO群がP群,C群より有意な高値を示した。MOCI総得点で13点(13/12)をcut off pointとした時,O群はP,C両群とsensitivity,specificityともに1.00で判別が可能であった。以上よりMOCI邦訳版は,項目数が少ない割には高い信頼性と妥当性を示し,一般人におけるOCD(Obsessive Compulsive Disorder)患者のスクリーニングに有用であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?