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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻3号

1995年03月発行

文献概要

研究と報告

bradyphreniaに電撃療法が奏効したパーキンソン病の1例

著者: 池沢良郎1 川又大1 村山賢一1 井上令一1

所属機関: 1順天堂大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.303 - P.307

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 【抄録】不安・心気・抑うつ状態がパーキンソニズムが明らかとなる15年以上前から先行し,やがてbradyphreniaに移行し,薬物抵抗性で退院が困難であったが電撃療法が奏効し,退院に至らしめることができたパーキンソン病の1例を報告した。うつ病とパーキンソニズムとの関係については,うつ病におけるセロトニンやノルアドレナリンなどの伝達低下は,潜在性のパーキンソン病患者ではうつ病を併発しないパーキンソン病患者に比して,早期かつ高度にパーキンソン症状を出現せしめるとする仮説を紹介した。最後に現在はまだ本邦ではパーキンソン病に対する電撃療法の効果についての認識が普及しておらず,今後難治例に対して積極的に臨床的応用が試みられるべきであることを指摘した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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