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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻3号

1995年03月発行

文献概要

短報

頭部外傷後悪性症候群を繰り返し発症した精神分裂病の1例

著者: 安部秀三1 馬場淳臣1 水上勝義2 酒井敏子1 白石博康2

所属機関: 1水海道厚生病院 2筑波大学臨床医学系(精神医学)

ページ範囲:P.313 - P.316

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 悪性症候群(neuroleptic malignant syndrome;以下NMS)は1960年にDelayら2)により報告されて以来,各国で多くの症例が報告されるようになった。NMSの多くが抗精神病薬投与後に発症し,その治療薬としてbromocriptineをはじめとするドーパミン作動薬が有効なことから,今日NMSの病因に脳内ドーパミン系を中心としたモノアミン代謝異常の関与が想定されている。その一方で患者個体の精神的および身体的要因がNMS発症に関与しているとも考えられているが,そのような報告例は少なくこの要因については現在もなお不明である。今回我々は頭部外傷後比較的少量の抗精神病薬投与で頻回にNMSを発症するようになった精神分裂病の1症例を経験した。脳の器質性病変とNMSとの関連性について示唆に富んだ症例と考えられるので若干の考察を加えて報告した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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