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短報
慢性C型肝炎のインターフェロン治療によって精神分裂病が再発した1症例
著者: 小山田静枝1 綱島浩一1 宇野正威1
所属機関: 1国立精神・神経センター武蔵病院精神科
ページ範囲:P.317 - P.319
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インターフェロン(IFN)の副作用として,発熱,全身倦怠感,筋肉痛などの身体症状と共に精神症状が報告されており,特にうつ状態と不安焦燥状態が知られている6)。一方,幻覚妄想状態がせん妄に伴って出現する報告はあるものの精神分裂病そのものへの影響については否定的である3,6)。今回我々は,精神分裂病が疑われた患者において,慢性C型肝炎に対するIFN療法の経過中に幻覚妄想状態などが悪化し,IFN治療中止後身体的副作用の消退とほぼ同時に精神症状が改善した1例を経験したので報告する。
インターフェロン(IFN)の副作用として,発熱,全身倦怠感,筋肉痛などの身体症状と共に精神症状が報告されており,特にうつ状態と不安焦燥状態が知られている6)。一方,幻覚妄想状態がせん妄に伴って出現する報告はあるものの精神分裂病そのものへの影響については否定的である3,6)。今回我々は,精神分裂病が疑われた患者において,慢性C型肝炎に対するIFN療法の経過中に幻覚妄想状態などが悪化し,IFN治療中止後身体的副作用の消退とほぼ同時に精神症状が改善した1例を経験したので報告する。
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