icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻4号

1995年04月発行

文献概要

研究と報告

遺伝子診断によって遺伝性歯状核・赤核・淡蒼球・ルイ体萎縮症(DRPLA)と確定した1孤発例—その精神症状の特徴と診断に関する1知見

著者: 佐々木恵美1 水上勝義1 高森永子2 田中芳郎2 白石博康1 田中一3 池内健3 岩淵潔4

所属機関: 1筑波大学臨床医学系精神医学 2石崎病院 3新潟大学脳研究所神経内科 4神奈川県総合リハビリテーシヨンセンター精神神経科

ページ範囲:P.377 - P.382

文献購入ページに移動
 【抄録】小脳性運動失調で発病し,舞踏病アテトーゼ様不随意運動やミオクローヌスに加えて痴呆や多彩な精神症状を呈し,臨床的には明らかな遺伝歴を持たず,第12染色体短腕のCAG repeatの延長を確認することによって,DRPLAと確定診断できた1孤発例を報告した。DRPLAの遺伝子異常が発見されてまもないため,本例のように遺伝子解析で確認された孤発例の報告は少なく,その発現機序については十分に解明されていない。孤発例では遺伝子解析が診断上有用であり,今後さらに同様の症例が集積されることにより,孤発例の発現機序が解明されるものと思われる。さらに,本例の痴呆や精神症状の特徴について述べ,本症と分裂病様症状の関連について文献的考察を行った。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?