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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻4号

1995年04月発行

研究と報告

抗精神病薬と抗脂血剤(pravastatin)の長期投与が関与したと思われる横紋筋融解症の1例

著者: 服部功1 小野賢一2 松本功3 篠崎孝2 宮坂雄平2 漆原昭彦26 京島恭子2 林圭介46 吉村一彦5 吉松和哉3

所属機関: 1村井病院 2松南病院 3信州大学医学部附属病院精神科 4相澤病院 5信州大学医学部病態解析学 6現,信州大学医学部附属病院第二内科

ページ範囲:P.391 - P.395

文献概要

 【抄録】症例は55歳女性。精神分裂病で入院経過中,抗精神病薬と高脂血症治療薬の長期投与中に非外傷性横紋筋融解症による急性腎不全を呈し,血液透析を要した1例を報告した。1977年の入院当初よりhaloperidol(HPD)などの抗精神病薬,抗パーキンソン薬の投与が続けられていた。高脂血症を認め,1990年1月からpravastatin(PVS)の投与を受けていた。横紋筋融解症発症以前は腎機能は正常であった。1992年6圧に非外傷性横紋筋融解症による急性腎不全を竪し血液透析を要した。本例は,腎機能障害の背景なしに抗精神病薬およびPVSの長期投与を受ける中で横紋筋融解症を発症したと考えられた。腎機能障害を持たない場合もPVS使用中に横紋筋融解症を発症しうることを念頭に置き,その安易な使用は慎むべきと思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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