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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻4号

1995年04月発行

文献概要

研究と報告

躁転の危険性を有するうつ病患者に対するlithium単独投与の試み—プラセボを対照とした一重盲検試験

著者: 寺尾岳12 谷幸夫1 白土俊明1 山本純史1

所属機関: 1産業医科大学精神医学 2日立健康管理センタ

ページ範囲:P.413 - P.416

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 【抄録】症例は34歳男性のうつ病患者である。少量のclomipramineとsulpiride投与中に軽躁状態を呈したことがある。今回増悪した抑うつ状態に対して,抗うつ薬は躁転の危険性があるため使用せず,lithiumを単独投与したところ有効であった。さらに,lithiumの効果をより厳密に判定するためにプラセボを対照とした一重盲検試験を行ったところ,lithiumの抗うつ効果が確かめられた。本症例のように,少量の抗うつ薬投与により躁転した既往のある患者に対しては,lithiumの単独投与を試みる価値があると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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