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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻4号

1995年04月発行

文献概要

研究と報告

アルツハイマー型痴呆の99mTc-HMPAO SPECT所見—特に側頭葉内側部の局所脳血流量低下について

著者: 中村有1 川勝忍1 篠原正夫1 灘岡壽英1 十束支朗1 駒谷昭夫2

所属機関: 1山形大学医学部精神神経科 2山形大学医学部放射線科

ページ範囲:P.417 - P.425

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 【抄録】アルツハイマー型痴呆30例と正常対照10例を対象として神経心理学的検査とTc-HMPAO SPECTによる局所脳血流量の測定を行い,両者の関係について検討した。局所脳血流量については,軽症群では右前頭葉下部外側,右頭頂葉で有意な血流低下が認められ,中等症群では両側の前頭葉下部,側頭頭頂領域,頭頂葉,側頭葉内側部で有意な血流低下が認められた。神経心理学的検査の因子分析の結果,3つの因子が抽出された。このうち記憶や想起に関する因子は左の前頭葉,側頭葉外側前部,側頭葉内側部の局所脳血流量と有意な正の相関を示した。このことから,アルツハイマー型痴呆の病態として,側頭葉内側部をはじめとする記憶回路の障害が存在すると考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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