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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻5号

1995年05月発行

文献概要

研究と報告

病的多飲水患者の疫学と治療困難性—多施設におけるスクリーニング調査および「看護難易度調査表」による検討

著者: 中山温信1 不破野誠一2 伊藤陽1 松井望1 若穂囲徹1 砂山徹1 藤巻誠1 中村秀美1 松井征二1 稲月まどか1 中野靖子1 吉田浩樹1 小熊千秋1 北村秀明1 永井雅昭1

所属機関: 1新潟大学医学部精神医学教室 2国立療養所犀潟病院

ページ範囲:P.467 - P.476

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 【抄録】この報告では,慢性の精神障害者における水分の過剰摂取を「病的多飲水」と呼ぶことにした。そして病的多飲水患者の早期発見を目的として,体重測定,多飲水関連行動,臨床症状からなる新しいスクリーニング基準を作成し,新潟県内の10施設においてスクリーニング調査を行った。その結果,248名が病的多飲水患者と診断され,病的多飲水の期間有病率は1,000人当たり120人となった。これらの病的多飲水患者の臨床特徴の1つは,死亡率が高いことで,それは中等症以上の病的多飲水患者の8.8%であった。また病的多飲水の重症度が増すに従って閉鎖病棟に入院している患者が多く認められた。次に,新たに作成した「看護難易度調査表」によって病的多飲水患者を評価したところ,病的多飲水患者には,看護困難で,治療困難な症例が多いことが定最的に示された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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