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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻5号

1995年05月発行

文献概要

研究と報告

123I-IMP SPECTによるアルコール性コルサコフ症候群の局所脳血流量の検討

著者: 中村誠14 加藤元一郎2 野村総一郎1 中澤恒幸3

所属機関: 1国家公務員等共済組合連合会立川病院神経科 2東京歯科大学市川総合病院精神神経科 3済生会中央病院精神神経科 4現所属,慶応義塾大学医学部精神神経科学教室

ページ範囲:P.493 - P.499

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 【抄録】アルコール性コルサコフ症候群6例(コルサコフ群),コルサコフ症候群や痴呆などの臨床的に明らかな脳障害を示さないアルコール依存症6例(非コルサコフ群),健常人4例に対して,123I-IMP SPECTにより局所脳血流量(rCBF)を測定した。コルサコフ群,非コルサコフ群とも対照群と比較して脳全体でびまん性に血流量が有意に低下しており,コルサコフ群とアルコール依存症群との間では有意差を認めなかった。しかし,コルサコフ群をWAISの結果から総IQ(full IQ:FIQ)が90以上の“定型コルサコフ”群とFIQが89以下の“重症コルサコフ”群に分類し,それぞれのrCBFを比較すると,“定型”群では視床のrCBFが非コルサコフ群より有意に低値であった。これらの結果は,アルコール性コルサコフ症候群の多様性を反映する所見と考えられ,本症候群がいくつかのタイプに分類できることが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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