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巻頭言
精神保健・医療・福祉の将来
著者: 浅井邦彦1
所属機関: 1医療法人静和会浅井病院
ページ範囲:P.568 - P.569
文献購入ページに移動 1987年,精神衛生法が大改正され,精神保健法となり精神障害者の人権擁護の推進と社会復帰の促進の二本柱を中心に精神科医療はポジティブな変貌を続けてきた。そして1992年6月の法の一部改正では,精神障害の定義の見直し,社会復帰の促進と大都市特例が規定された。これにより,“精神病院から社会復帰施設へ”という流れに加え,“社会復帰施設から地域社会へ”という新しい流れができた。そして,今国会で法の一部改正が行われ,精神障害者の保健福祉対策の充実を目指して,法律の名称が「精神保健および精神障害者福祉に関する法律」に改正され,7月1日施行予定となった。この背景には1993年12月に心身障害者基本法が改正され,「障害者基本法」が成立して,法の対象に精神障害者が明確に位置づけられ,障害者の自立と社会参加の促進を目指して,国,都道府県,市町村が障害者計画を策定することとされたことが動機となっている。さらに1994年6月に「地域保健法」が成立して,今後市町村レベルで社会復帰施策などが実施される方向が示された。
精神障害者は,障害を有するとともに,疾患を有する者であることから,福祉と医療の関係は密接不可分であり,今回の法改正では保健と福祉を融合した法制化を図り,精神障害者の福祉対策を明確に位置づけて発展させていく…と説明されている。しかし,将来的に身体障害者福祉法や精神薄弱者福祉法も統合して,全障害者福祉法の成立を目指してゆくことが望ましいと思う。
精神障害者は,障害を有するとともに,疾患を有する者であることから,福祉と医療の関係は密接不可分であり,今回の法改正では保健と福祉を融合した法制化を図り,精神障害者の福祉対策を明確に位置づけて発展させていく…と説明されている。しかし,将来的に身体障害者福祉法や精神薄弱者福祉法も統合して,全障害者福祉法の成立を目指してゆくことが望ましいと思う。
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