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文献詳細

雑誌文献

精神医学37巻6号

1995年06月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病と出生時体重—母子手帳を用いた調査から

著者: 功刀浩12 南光進一郎1 武井教使2 斉藤薫3 森一和1 風祭元14

所属機関: 1帝京大学医学部精神神経科学教室 2 3帝京大学医学部附属溝の口病院精神科 4現所属:東京都立松沢病院

ページ範囲:P.581 - P.588

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 【抄録】近年,精神分裂病の病因に関し神経発達論的成因仮説が注目されている。本研究では精神分裂病者の母胎内での発達を検証することを目的とし,精神分裂病者(DSM-Ⅲ-R)とその健康同胞の出生時体重を「母子手帳」を用いて調査し比較した。また,精神病の遺伝負因の有無によって差があるか否かに関しても調べた。39組の同胞間の比較では,出生時体重において有意差を認めなかった。しかし,65名の精神分裂病者の中で遺伝負因を持つ者(N=52)と持たない者(N=13)とを比較すると,前者は後者より有意に軽かった。以上から,精神分裂病に対する脆弱性を与える遺伝的要因は胎内発達に影響を与え,低出生時体重に反映される可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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