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研究と報告
いわゆる登校拒否における「逆説的対応」にについて
著者: 宮本洋1 白石博康2
所属機関: 1美浦まきば病院 2筑波大学臨床医学系(精神医学)
ページ範囲:P.589 - P.593
文献購入ページに移動 【抄録】登校拒否は臨床単位然として論じられることが多い。しかし,実体は通常の児童・青年期に発症する様々な障害が学歴社会に起因する心理的社会的ストレスによって誘発され,重症化あるいは遷延化したものであると筆者らは考えている。また,いわゆる登校拒否の病理を本人や家族に求める考え方と学校を含む社会の問題とする考え方とは一見対立しているようで,いずれもが,明らかな神経症症状よりも不登校現象を過剰に重視しており,そのことが逆に心理的社会的ストレスをさらに増悪させていると考える。これに注目し,治療者自身が「登校」にこだわらずに「登校拒否」に対応するのが「逆説的対応」である。
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